中村酒造は全国でも数少ない有機認証を取得した酒蔵です。
私たちは早くから世界基準の有機純米酒を製造・販売するため、金沢市の有機農家「金沢大地」さんと提携し、有機原料米の契約栽培を開始しました。同時に、JONA(日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会)から有機清酒を醸造する「有機製造蔵」としての認証を取得しています。この認証は毎年更新が必要で、常に厳格な管理体制を維持しなければなりません。社内の管理体制は細部まで気を配る必要があり大変な作業ですが、これは私たちの誇りでもあります。
弊社の有機純米酒「AKIRA」は、2007年にヨーロッパの認証(ICEAから後にEU認証に変更)を取得し、2010年にはアメリカ(USDA)の認証も獲得しました(現在は有機JASとの関係上、カナダCOR認証を取得してアメリカ市場に販売)。これにより「AKIRA」は、日本酒として世界で初めて日本・アメリカ・ヨーロッパの3地域でオーガニック商品として公式に認められました。日本酒の国際化が進む中、世界基準の品質認証を持つ唯一の日本酒となりました。
さらに2024年からは日本の有機JAS認証も取得し、「AKIRA」は常に最先端の有機日本酒として世界に発信し続けています。


環境
有機米に農薬や化学肥料等の制限があるように、JONAから有機製造場の認証を受けるには、当蔵も有機のポリシーを順守することが条件となります。
とりわけ「環境の保全」という概念においては、原料米と同じく製造場内での化学物質の管理・使用について厳しく制限を受けるため、弊社の酒造りもこのスタンダードに合わせた環境に配慮した酒蔵を実現しています。

生産者について
“金沢大地”は金沢のみならず、日本を代表する有機農家です。
彼らは環境に負荷を与える農業から保全する産業を目指し、自然と人間の関わりが健やかであることを願い、祖先が拓いた豊かな大地と水・環境を百年後、千年後に繋げることを使命として弊社の地元の石川県で活動している農家さんです。

こだわり
2000年の有機JASの制定に伴い、全国で有機認証を取得して酒造りをする蔵は10蔵程度しか存在しません。
当時、日本中に1500社以上の蔵元が存在していたことを考えると、極めて特異な取り組みであったと思います。
しかしながら、弊社はこの取り組みは、日本の食の安心・安全のためには必要不可欠な事業と考えています。

有機への取り組みの意味
弊社は酒造りとは農業発展型の原始的な産業であり、最も環境に負荷を与えない仕事であり、今後もそうあるべきと考えます。
その基本概念に立ち返れば、この有機の取り組みを農家の方と推し進める事は酒造りの原点に返ることにもなると同時に、未来に、世界に向けての弊社の環境への発信になるものと信じています。